自由席。

曇りだ。

こないだ買ったスーツに袖を通す。気乗りはしない。雨に降られないだろうか。今日は、折り畳み傘を持とう。東京に行くのは2回目だ。何かを探しにいくのだ。新幹線は安くないが、悪くない。飛行機を思わせる内装がどこか好きだし、前後にしっかりとゆとりがもたれたリクライニングシートと、左脇の灰皿は、電車にはない安らぎを与えてくれる。おまけに東京への道筋をたったの2時間で提供してくれるので納得の価格ではある。

11時53分発、ウルトラマンの顔に似たそれは僕の前に姿を現した。ドアが開くと同時に煙草の煙と匂いがホームに吐き出される。僕は売店でコーヒーとソイジョイを買い、車内に乗り込んだ。

それにしても自由席は自由だ。大口を開けて寝るもの、英字新聞を読むもの、昼間からビールを飲むもの、花粉がいやなのか煙草がいやなのかはわからないが大きなマスクをしながら眉間にしわを寄せるもの。
しかしここにいる全ての人間が東京に向かっているというのだから不思議だ。
一体なんのために。

名古屋を前にカートを押した売り子が近づいてくる。煙がもくもくと広がり灰色の霧がかった車内を笑顔を振り撒きながら進んでいる。「お弁当、飲み物、ビールにおつまみはいかがですか。」といかにも何でも揃っていますと言わんばかりだ。しかし残念ながらそのカートに僕が探しているものは置いていなかった。東京にはあるのだろうか。見つかればいいのに。

名古屋で窓際の席が空いた。僕は窓際に移動した。まだ外は曇っている。東京は雨が降っているのだろうか。晴れているのだろうか。晴れていてほしいと願うばかりだ。そして新しく横に、リクルートスーツを着た若者が座った。彼は我が物顔で持ち込んだマックを食べ始めた。いろいろな臭いが混じる。不快だ。そんな中、僕は煙草でささやかな抵抗をしている。

その横の社会人は、パソコンでyoutube見ている。いいなぁ。

しかしソイジョイはうまい。こないだ兄的存在の彼女にあたる方、つまりは僕の姉的存在の人が、ソイジョイについて熱く語っていた理由がわかった。それは栄養豊富な大豆(遺伝子組み換えでない)の生地にたっぷりフルーツが加わりしっとりとしている。プルーンを一瞬で食べ終えた僕はそのままカカオオレンジに手を伸ばした。

窓際に座ったのは失敗だった。外を眺めても先ほどの曇りから状況は悪化し、雨が降りだしているし、おまけにトイレにいきたいのに、横の人達は自分達の許されたスペースを最大限に活用し、それぞれの時間を楽しんでいる。全身を伸ばして寝る若者、パソコンで動画を楽しむ社会人。もう僕が座っているのは不自由席だ。あぁ、トイレにいきたい。

何が言いたいというものではなく、ただ日常の一部を切り取っただけの文章である。

遊びたい。
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by super_masaharu | 2008-03-20 12:45 | THINK
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